今一度読み返した「人間とは何か」



2008年07月19日(Sat)
今一度読み返した「人間とは何か」
 人間を悲観する視点で書き進めたこの書物。マーク・トウェイン著のこの本は私の一生の愛読書の一つでもある。読書は好きで、哲学書関係からくだらない雑学書、オカルト書まで色々読むが、中には一年〜数年に一度の割合で「この本は一生の愛読書にしよう」と思える本が出てくるのだ。今までこれはと感じた本は、これ以外にジョン・デューイ著「学校と社会」、マクス・ヴェーバー「職業としての学問」。これらは今でもたまに読み返す。それらの中でもこの本は特に影響を受けた。

 内容としては「悲観的に人間を、すべての行動原理は自己中心の欲望でありそれに忠実に従って生きることが人間の本性」というもの。これを色々な例題をもとに、老人と青年がひたすら語るというものだ。特に、ある男が大雪の中で乞食並にみすぼらしい老女に25セントをあげた話とその解説が印象的だった。

 青年は男の行為を「私利私欲なき純粋行為」と言った。それに対し老人の見解は「根本は自分自身の安心、心の慰め」と言い切った。青年は彼の行為に対し「苦難にやつれた老婆の姿をみると彼の心はたまらない苦痛を覚え、見るに耐えなかったから」と語る。そしてもしほうって死なせたことを想像すると彼の良心はいたたまれなくなったという考えだ。それに対し老人は「そのやりきれない思いというのは男自身の苦痛であり、まずそれを男は感じた。この苦痛を取り除くには老婆を助けなければならなかった」という見解。苦痛を和らげるクスリを25セントで買ったようなものと言い切っていた。故に人間はまず第一に「自分自身の満足・心の平定」を満たすために行動し、他人のためにとはその行動と並行しているに過ぎないという結論がでる。愛についてもトゥエインは登場人物の老人にこう語らせている。「対象が幸福になれば、自分も幸福になれる」と。

 この本は、私の人生のありかた、方向性に最も影響を与えた本であるといっても過言ではない。義に生きることを決めた根本も、ここにあろう。故に、自分に正直に生きることが大切なのだ。本当の善人はみな「自分のために、自分の誇りのために」という気持ちで善いことをするのだろう。自分が満たされなければ絶対に続かないのがボランティア。ボランティアの根本もこの本が示してくれていると思っている。

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あと、ここでは硬派については「恋愛感情そのものを放棄し、ひたすら義・スジで生きようとする人間関係を求める者」「知力、肉体両立したいわゆる男らしい人間を目指すもの」としています。なので突っ込む前にここと過去の記事を読んでくだされ。

カレンダ
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